事務局あかねです。
当音楽教室の主宰、三木貴徳はオペラ歌手です。
オペラは、クラシック音楽の一部です。
クラシック=Classic(英語)=古典という意味ですが、
では「クラシック音楽」って、いったいどれくらい古典、つまり古いものなのでしょうか?
「古典」と聞くと、パッと思い浮かぶのはやはり学校の古典の授業かと思います。
万葉集とか枕草子とか、百人一首とか。
大変でしたよねぇ、古文も漢文も。
日本語で書いてあるのに、読めない。意味が分からない。
これがヨーロッパの古典とか!
ムリムリムリムリ~
なんて、思っていませんか?
でも実は、クラシック音楽ってそんなに古いものではありません。
もちろん、古い時代のものもありますが、今日演奏されるメジャーな演目は割と最近、日本でいうと江戸時代以降のものが中心です。
そうです。
万葉集(600-700年代)とか百人一首(1100-1300年代)とかの時代のものではないんです。
現在最古のオペラと言われているのは、1600年に上演された作品。
日本では1603年に江戸幕府が成立しますが、ちょうどこのころから「歌舞伎」に関する記述が記録に現れてくるそうなので、オペラと歌舞伎はだいたい同じ時期に形になっていった舞台芸術ということでしょうか。
ちなみに能や狂言は室町時代(1300年代-1500年代)に誕生した芸術なので、こちらの方が長い歴史があります。
「魔笛」や「ドン・ジョヴァンニ」などのオペラを遺したモーツァルトは1756年生まれ、マリー・アントワネットの一つ年下。
音楽の父とも称されるバッハでさえ1685年生まれ(日本では江戸幕府の五代将軍綱吉によって「生類憐みの令」が発令された年)。
(バッハは「チャラリ~、鼻から牛乳~(古)」の元曲を作った人)
(でもあの曲、作ったのはバッハじゃない説もあるようです。クラシックあるある~このお話もそのうちに。)
(有名な歌舞伎の演目「忠臣蔵」、元になった赤穂浪士の討ち入りは1703年なので、バッハは生まれていますが神童モーツァルトはまだまだ先ですね)
「椿姫」や「蝶々夫人」は時代設定も作者が生きたのも1800年代~1900年代なので、次の大河ドラマの主人公、渋沢栄一の時代に重なる幕末から明治、大正、昭和にかけてということになります。
(「蝶々夫人」を作曲したプッチーニが亡くなったのが1924年、二年後の1926年、昭和が始まります)
(「カルメン」を作曲したビゼーは1838年生まれ、坂本龍馬が1836年生まれ、渋沢栄一は1840年生まれ)
「椿姫」のヴィオレッタと坂本龍馬はほぼ同年代で、ヴィオレッタが若くして世を去るころ、龍馬は意気揚々と江戸に旅立ち、浦賀にはペリーがやってきます。
これがアメリカからの初めての公式訪問なので、米国海軍士官ピンカートンと蝶々さんが出会うのはもう少し先のこと…
いかがでしょう?
「クラシック」という言葉から想像するよりは、ずっと私たちに近いのかもと感じませんか?
あまり古い古いと思わずに、クラシックもオペラも楽しんでいただけたらなと思います。
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